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英国・アイルランドで親しまれる冬のホットカクテル|定番レシピと文化を紹介

FOOD & LIFE

寒さが本格化するイギリス北部やアイルランドの冬。午後を過ぎればあっという間にあたりは暗くなり、頬を刺すような冷たい風が街を吹き抜けます。

 

そんな厳しい冬をあたたかく、そして心地よく過ごすために、現地の人々が愛してやまないのが「冬のホットカクテル」です。

 

今回は、パブの片隅やクリスマスマーケットの湯気のなかで愛される、定番のホットカクテルとその背景にある温かい文化をレシピとともにご紹介します。

 

寒い英国の夜をやさしく温める、ホット・トディー

 

イギリスやアイルランドでは、ホット・トディーは単なるカクテルではなく、昔から風邪のひき始めによく飲まれてきました。

 

ウイスキーで体を内側から温め、レモンやハチミツを加えた優しい味わいで喉を潤す――。お医者さんに行くほどではないけれど、なんとなく肌寒い。そんな夜に「じゃあ、ホット・トディーでも作って温まろうか」となるのが、英国流の小粋な冬のセルフケアです。

 

【レシピ】クラシック・ホット・トディー

 

  • ウイスキー(スコッチやアイリッシュ): 30ml〜45ml
  • ハチミツ: 大さじ1(お好みで調整)
  • レモン果汁: 大さじ1/2
  • 熱湯: 120ml〜150ml
  • トッピング: レモンスライス、シナモンスティック、クローブ(数粒)

 

作り方: 温めたグラスにハチミツ、レモン果汁、ウイスキーを入れます。熱湯を注いでハチミツが溶けるまでよく混ぜ、仕上げにレモンスライスとシナモンスティックを添えれば完成です。レモンにクローブをいくつか刺して沈めると、より本格的な英国の香りが楽しめます。

 

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冬のイベントを彩るグリューワイン

 

イギリスやアイルランド、そしてヨーロッパの冬のイベントを語る上で欠かせないのが、大きな鍋からスパイスの香りが立ち込める「グリューワイン(モルド・ワイン)」です。

 

クリスマスマーケット、教会のクリスマスフェア、冬のチャリティーイベント、屋外のマルシェ……。寒空の下、湯気の立ったワインを紙コップや記念のマグカップで受け取り、両手で包み込むようにしてちびちびと飲む。そこにはいつも、地域の人々が自然と集まり、笑顔で言葉を交わす温かいコミュニティの光景があります。

 

 

イギリスでは Mulled Wine(マルド・ワイン/モルド・ワイン) 、ドイツでは Glühwein(グリューワイン) と呼ばれ、冬になるとスーパーの棚には専用のスパイスミックスや、温めるだけで飲めるボトルがずらりと並びます。

 

ちなみに、こうした地域のイベントや教会が主催するフェアでは、アルコールが苦手な方や子どものために、シナモンやクローブを効かせた「ホットアップルジュース」やノンアルコールのスパイスドリンクも一緒に用意されていることが多く、誰もが温まれる優しい配慮が詰っています。

 

フルーツが入ったスパイシーな赤ワインと聞くと、夏の「サングリア」を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、冬のグリューワインはまったくの別物。赤ワインにシナモンやクローブ、オレンジ、スターアニス(八角)を加えてゆっくり温めると、甘さは控えめでスパイスがしっかりと効いた、体の芯から温まる味わいになります。

 

【レシピ】お家で楽しむマルド・ワイン(グリューワイン)

 

  • 赤ワイン(手頃なものでOK): 1本(750ml)
  • オレンジ(スライス): 1個分
  • シナモンスティック: 1〜2本
  • クローブ: 4〜5粒
  • スターアニス(八角): 1個
  • 砂糖(またはハチミツ): 大さじ2〜3(お好みで)

 

作り方: すべての材料を鍋に入れ、弱火にかけます。沸騰させないように(アルコールが飛びすぎないように)弱火で10〜15分ほどコトコトと温め、スパイスの香りが移ったら火を止めます。茶越しで漉しながらグラスに注いで召し上がれ。

 

 

アイルランドの誇り!“ベイリーズ”入りホットチョコレート

 

甘いお酒が好きな方にとって冬の最高の贅沢となるのが、アイルランド生まれのリキュール「ベイリーズ」を使ったホットチョコレートです。

 

甘くまろやかな、ベイリーズの小ネタ

ベイリーズ(Baileys)は、1974年にアイルランドで誕生した世界初のクリームリキュールです。伝統的なアイリッシュウイスキーと、アイルランド産の新鮮なクリームを絶妙にブレンドして作られており、アイリッシュウイスキーの魅力を世界に広める立役者ともなりました。

 

イギリスやアイルランドでは、クリスマスが近づくとスーパーの特設コーナーにベイリーズがずらりと並びます。定番のクラシックのほか、冬限定の「ソルトキャラメル」「チョコレート」「ミント」「オレンジトリュフ」などのフレーバーも登場し、冬のギフトとしても定番中の定番です。

 

 

現地では、普通のコーヒーにちょっぴり加えたり、バニラアイスやブラウニー、チーズケーキに少しかけて大人のデザートとして楽しむ姿もよく見られます。

 

そんなベイリーズを、冬の夜に濃厚なホットチョコレート(ココア)にトッピングする。これほど贅沢なご褒美はありません。

 

【レシピ】ベイリーズ・ホットチョコレート

 

  • ミルクチョコレート(またはココアパウダー): 適量
  • 牛乳: 150ml
  • ベイリーズ オリジナル: 30ml〜45ml(お好みで)
  • トッピング: マシュマロやホイップクリーム(お好みで)

 

作り方: 小鍋で牛乳を温め、チョコレートを溶かして濃厚なホットチョコレートを作ります(市販のココアでも可)。カップに注ぎ、仕上げにベイリーズを加えて軽く混ぜます。お好みでマシュマロを浮かべれば、現地のカフェ顔負けの冬のご褒美ドリンクの完成です。

 

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アイリッシュコーヒーに使うウィスキーでもめるおじさんたち

 

アイルランドの冬を代表するもう一つの主役が、濃厚な生クリームが乗った「アイリッシュコーヒー」です。しかし、パブのカウンターでは時折、おじさんたちがこんな可愛い議論を戦わせています。

 

「おいおい、そんなお気に入りの高級ウイスキーをアイリッシュコーヒーにするなんてもったいないじゃないか!」

 

もちろん人それぞれですが、現地でも「香りをじっくり楽しみたい贅沢なシングルモルトはストレートや少量の水で飲み、ホットカクテルには気兼ねなく使える定番のブレンデッドを選ぶ」という人が少なくないようです。

 

 

日本でも、奮発して買った高級な純米大吟醸を筑前煮の料理酒としてドボドボと鍋に入れてしまい、家族に怒られる……なんていうエピソードがありますが、まさにそれと似たような、微笑ましいこだわりなのかもしれません。

 

アイリッシュコーヒーには、アイルランドで長年愛されている定番の『ジェムソン』や『タラモアデュー』あたりを選ぶのが、現地っぽくて粋な選択です。

 

【レシピ】アイリッシュコーヒー

 

  • アイリッシュウイスキー: 30ml
  • ホットコーヒー(深煎り): 120ml
  • ブラウンシュガー(またはザラメ): 小さじ1〜2
  • 生クリーム(軽く泡立てたもの): 適量

 

作り方: 耐熱グラスにブラウンシュガーとウイスキーを入れ、熱いコーヒーを注いでよく混ぜます。グラスの表面に、スプーンの背を使ってそっと生クリームを浮かべます。 ※ポイントは、クリームとコーヒーを混ぜ合わせず、冷たいクリームの層を通して熱いコーヒーを口に運ぶことです。

 

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寒さは、二杯目の口実。――英国の冬には、そんなユーモアがよく似合います。
小鍋(ミルクパン)で温め直した二杯目があれば、寒くて長い冬の夜も、自然とおしゃべりが長くなります。ホット・トディーやグリューワイン、ベイリーズ入りのホットチョコレート、そしてアイリッシュコーヒー。今年の冬は、お気に入りの一杯とともに、英国やアイルランドの冬の空気を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

《日本では、アルコール飲料の購入・飲酒には法律で20歳未満は禁止されています。未成年者への酒類提供は厳しく禁止されていますので、適切な年齢制限を守って楽しい飲み会をお楽しみください。》