オランダの家庭料理って、どんなイメージがありますか?
美食の国フランスやイタリアとは異なり、オランダの食卓は「とにかくシンプルで実用的」。温かい食事は1日1回、朝と昼は冷たいパンとチーズで済ませるのが一般的です。
それでも、そこにはオランダならではの合理主義や家族の時間を大切にする文化がしっかりと息づいています。今回は、そんなリアルなオランダの家庭の食事スタイルと、一週間の献立スケジュールをご紹介します。
オランダ家庭の食事スタイルって?

パンが主食?温かい食事は1日1回だけ
オランダの家庭では、「温かい食事=夕食だけ」というスタイルが一般的です。朝と昼は、パンにチーズやハムをはさんだシンプルなサンドイッチや、チョコスプレー(ハガルスラグ)をふりかけたトーストなど、“冷たい食事”で済ませるのが主流。
そのため、オランダのスーパーにはパンとチーズ、加工肉のコーナーが非常に充実していて、「いかに効率よく・無駄なく」栄養をとるかに重点を置いた合理的な食文化が見てとれます。
「シンプル&合理的」が基本:冷たい朝食・昼食
食へのこだわりは少なめで、どちらかといえば“手間をかけすぎないこと”が重視されます。
たとえば、朝は前日に用意しておいたパンをトーストするだけ、昼はオフィスや学校に持参するサンドイッチとフルーツ。あたたかいスープや副菜をいちいち用意する文化はあまり見られません。
その背景には、「食事に時間をかけすぎず、自分の時間や家族との時間を大事にしたい」という合理的なライフスタイルが根付いています。
加工食品も多用、家庭料理も時短系が主流
オランダの家庭料理では、市販のソースや冷凍野菜、缶詰などを積極的に活用します。
夕食の主菜も、フライパンひとつで調理できるものや、オーブンで放っておけば完成するメニューが人気。家庭料理とはいえ、手作り感よりも“効率”や“実用性”が重視されているのが特徴です。
ただし、冷凍ピザばかり食べるわけではなく、旬の野菜を使ったスタンポット(マッシュポテトと野菜の和えもの)などの伝統的な家庭料理も、日常的に食卓に並びます。
オランダの一週間の家庭メニュー(夕食中心)
ここでは、オランダ家庭のリアルな夕食メニューを、曜日ごとにご紹介します。全体的にシンプル&あったかいがテーマ。週末には少し手の込んだ料理が登場することもあります。
曜日 | 夕食メニュー例 |
---|---|
月曜 | スタンポット(じゃがいもとケールのマッシュ)+スモークソーセージ(ルークウォースト) |
火曜 | パスタ+市販のトマトソース、グリーンサラダ |
水曜 | エルテンスープ(グリーンピースの濃厚スープ)+パン |
木曜 | 鶏もも肉のロースト、冷凍ミックスベジタブル添え |
金曜 | フライドポテト(パット)+コロッケやフリカンデル(ソーセージ) ←ファストフードの日! |
土曜 | 家庭風グラタン(ジャガイモ、ハム、チーズ)+キャベツのサラダ |
日曜 | 牛肉の煮込み(ハッシュ)+芽キャベツのソテー、ライ麦パン |
※「金曜=揚げ物の日」という家庭も多く、スーパーやフライドスナック店がにぎわいます。
※ スープ系の日は、パンと合わせてボリュームを調整するのが定番です。
食事の時間と雰囲気:「夕食は早く、さっぱりと」

オランダ人は早めの夕食が基本
オランダの夕食時間は、17時〜18時ごろが一般的。多くの家庭では、仕事や学校が終わってすぐに夕食を済ませ、そのあとはゆったりと家族や趣味の時間に充てます。
この“早めの夕食”は、ヨーロッパの中でも特徴的で、夜8時〜9時に夕食をとるスペインやイタリアとは対照的です。
「長居せず、さっと食べて解散」スタイル
家族がそろって食卓につくのはもちろん大切にされていますが、夕食の雰囲気はとてもシンプルで合理的。
長時間だらだら食べたり、コース仕立てで複数品を楽しむ文化はあまりなく、ワンプレート+サラダやスープ程度の献立で、30分ほどで済ませるのが一般的です。
食事よりも「家族時間」を大事にする傾向
食べること自体を楽しむというよりは、「健康を保つためのルーティン」という感覚が強いオランダの家庭。
ただし、日曜など特別な日には、祖父母の家に親戚が集まり、みんなでパスタやグラタンなどを囲むこともあります。とはいえ、それでも盛大なパーティというよりはリラックスしたホームディナーといった印象です。
定番メニューをチェック:オランダの一日

▶ 朝食(Ontbijt)
- パン+バター+ハガルスラグ(チョコスプレー)
- チーズサンド+カフェオレ
- ヨーグルト+ミューズリー
朝はとにかくシンプルで冷たい食事が基本。
オランダ特有の「チョコスプレーをパンにかけて食べる」スタイルは、子どもだけでなく大人にも人気です。
▶ 昼食(Lunch)
- ハムやチーズをはさんだサンドイッチ
- 卵サラダやツナマヨのパン
- リンゴやバナナなどのフルーツ1個
昼食も“温かい食事”ではなく、持参したサンドイッチ+フルーツやヨーグルトで軽く済ませる人がほとんど。
カフェテリアや社員食堂では、スープが付くこともありますが、全体的に簡素です。
▶ 夕食(Avondeten)
- スタンポット+ソーセージ
- オーブンパスタ+サラダ
- スープ+パン
夕食はようやく温かい料理が登場しますが、メニューはワンプレートで完結するものが中心。
食後にデザートを食べる文化もあまりなく、たまにフルーツやプリン、ヨーグルトを軽く取る程度です。
オランダの食卓に込められた文化・価値観

「合理的」がベースの食生活
オランダ人の食卓には、無駄を省いた合理性が色濃く反映されています。豪華な手料理よりも、手早く、栄養バランスが取れたものを選ぶ傾向があり、特に平日は“食べるための食事”という側面が強めです。
家族との時間をコンパクトに大切に
夕食は家族と一緒に食べるのが基本ですが、長く語り合うよりも、短時間でしっかり一緒に食べることに重きが置かれます。
とはいえ、週末や特別な日には親戚や友人を招いて家庭料理を囲むこともあり、「人とのつながり」を大事にする心は、オランダ人のライフスタイルに根づいています。
「冷たい食事」でも満足感を
温かい料理は夕食だけでも、昼はサンドイッチやフルーツで十分とする文化が根づいており、日本人の感覚から見ると「物足りなさそう?」と思うかもしれません。
けれど実際は、無理なく食べて、無理なく動くというスタンスが、健康と効率を保っているのです。
日本とオランダ、家庭の食卓でいちばん違うのは?【まとめ】
比較項目 | 日本 | オランダ |
---|---|---|
食事の温かさ | 基本3食とも温かい | 朝・昼は冷たいものが中心 |
主食 | ごはん中心 | パン中心(特に朝昼) |
食事の時間帯 | 夜遅め(19時〜)も多い | 夕食はかなり早め(17〜18時) |
献立スタイル | 小鉢や副菜が豊富 | ワンプレート中心でシンプル |
食の目的 | 美味しさ・季節感・彩り | 栄養と効率が重視される |
食事の雰囲気 | 会話や団らんを楽しむ | 短時間で済ませるが一緒に食べるのは大切 |
🍽 おわりに
彩り豊かな食文化とはちょっと違うけれど、オランダの「必要なものを、必要な分だけ」という食卓スタイルは、忙しい現代にフィットした合理的な暮らしのヒントにもなります。
“冷たいサンドイッチ”にも、“早めの夕食”にも、それぞれの国らしさが表れていますね。
次はどこの国に行ってみましょう?お楽しみに!
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