「なんだか、ほっとする」「気づけば、ずっとここにいたい」
そんな空間や時間に出会ったことはありませんか?
オランダには、それを表現するぴったりの言葉があります。それが 「Gezelligheid(ヘーヘリック)」。
直訳できないこの言葉は、心地よさ・ぬくもり・人との親密さなど、暮らしの“感覚的な豊かさ”を指す哲学です。
この記事では、オランダ流のあたたかな暮らし方と、それを日本で実践するヒントをご紹介します。
Gezelligheid(ヘーヘリック)とは?
オランダ語の意味と背景

「Gezellig(ヘーヘリック)」は、オランダ語圏で日常的に使われる言葉ですが、日本語にはぴったりと訳せる単語が存在しません。
“心地よい”“ぬくもりがある”“楽しい時間”“リラックスしている”といったニュアンスがすべて含まれており、その時々の文脈によって意味が少しずつ変わるのが特徴です。
たとえば…
- 家族や友人と笑い合う食事の時間
- お気に入りの照明が灯るリビングで、ゆったりと本を読む時間
- 誰かと何気なく交わす立ち話や、沈黙を気にせず一緒に過ごす時間
こうした「その場の空気そのものが心地よい」という感覚を表すのが、Gezellig という言葉です。
語源は「一緒にいることの心地よさ」
「Gezellig」の語源は、中世オランダ語の「gezel(=仲間・同行者)」にあるとされ、「誰かと一緒にいることが心地よい」といった意味をもっています。
単なる“楽しい”ではなく、誰かとのつながりや空間に流れる雰囲気まで含んだ、奥行きのある言葉なのです。
そのためGezelligは、「空間・時間・人間関係」に宿る感覚とも言えます。
オランダ人の価値観と深い関係

Gezelligheidという言葉が特別なのは、単なる表現を超えて、オランダ人のライフスタイルや価値観そのものに根ざしているからです。
経済指標では測れない“幸福感”
オランダはGDPの規模だけでなく、「世界幸福度ランキング」でも常に上位にランクインしています。
その理由のひとつが、効率や成果ではなく、日々の小さな幸福を丁寧に感じ取る文化にあります。
Gezelligheidの概念は、こうした“目に見えない幸福”の感覚を象徴しているとも言えるでしょう。
個人主義と共存する“あたたかいつながり”
ヨーロッパの中でもオランダは比較的個人主義的な文化を持ちますが、だからといって冷たくはありません。
オランダ人は、自立を大切にしながらも、身近な人との時間や空間を大事にするバランス感覚に優れています。
誰かと時間を共有すること自体が目的であり、その時間をいかに心地よく過ごすかに価値を置く。これが、Gezelligheidの核心です。
効率よりも「その場の雰囲気」を楽しむ文化
時間に正確で合理的なイメージもあるオランダですが、生活の中では“効率”よりも“雰囲気”を大切にする場面が数多く見られます。
- カフェで友人と過ごす長い時間
- 一緒に沈黙していても気まずくない空間
- 特別なことはなくても「居るだけでいい」と思える人との関係
こうした場面にこそ、Gezelligな感覚が宿っているのです。
Gezelligheidに見るオランダの暮らし方
心地よさを大切にする空間づくり

Gezelligheidを語るうえで欠かせないのが、「家の中の居心地」へのこだわりです。
オランダ人にとって、家とは“外よりも心地よく過ごせる場所”であるべき。そのため、空間づくりにも独特の工夫が凝らされています。
■ 間接照明とろうそくの活用:まぶしくない光
オランダの家庭では、蛍光灯のように強くて白い光はほとんど使われません。代わりに活躍するのが、暖色の間接照明やキャンドル。
光そのものが柔らかく、影を生み、空間に温かみと落ち着きを与えてくれます。
夕暮れ以降のリビングやダイニングに灯る、静かな明かり。これこそが、Gezelligheidの“空気感”の演出なのです。
■ 手作りのもの・使い込んだ家具・素材感を大切に
新品や高級なものよりも、手作りのぬくもりや時間の経過を感じる素材を好む傾向も。
木製の家具、編まれたクッション、手描きのカップなど、「素材が語る物語」こそが居心地の良さを育ててくれます。
暮らしの中で少しずつ愛着が増していくような、そんなアイテムがGezelligな空間を形作るのです。
人とのつながりを優先する文化

オランダでは、忙しい日々のなかでも人との関係を大切にする文化が息づいています。
Gezelligheidは、「何をするか」よりも「誰と、どんなふうに過ごすか」を重視する感覚に直結しています。
■ 友人や家族と過ごす「ティータイム」「夕食」が最重要
オランダでは午後のお茶の時間(コーヒータイムやティータイム)や、夕食のひとときがとても大切にされています。
テレビやスマートフォンはオフにして、テーブルを囲みながら、ゆっくりと語らう時間。
それはまさに、Gezelligな時間そのものです。
■ 小さな立ち話・近所付き合いが自然に存在
近所の人と立ち話をしたり、何でもないおしゃべりを楽しんだり。
オランダでは、用事がなくても誰かとつながることが当たり前のように存在しています。
家の窓を大きく開けて中が見えるようにしておくのも、オープンでフレンドリーな心のあらわれとも言えるでしょう。
イベントや季節の彩りを楽しむ

Gezelligheidの感覚は、季節のイベントや日々の小さな楽しみの中にも宿ります。
■ 冬の「Sinterklaas(シンタクラース)」や夏のマーケット
12月に行われる「シンタクラース祭り」では、子どもたちが歌を歌い、お菓子をもらうという伝統行事があります。
また、夏には各地で屋外マーケットが開かれ、人々は青空の下で雑貨や花を買いながらおしゃべりを楽しみます。
こうしたイベントは、人との距離が縮まり、“その瞬間”を味わう時間であり、まさにGezelligな時間の象徴です。
■ 季節の変化=家のしつらえの変化
オランダの家庭では、季節が変わるたびに部屋の装飾や照明を変えることも珍しくありません。
春には花を飾り、秋にはキャンドルを灯し、季節の変化に合わせて空間を“着替えさせる”。
この感覚が、「いまこの時を楽しむ」というGezelligheidの精神そのものなのです。
日本で実践できる「Gezelligheid」的な暮らし方

Gezelligheidはオランダ語の言葉ですが、その本質はどこの国でも取り入れられるライフスタイルの哲学です。
日本でも、日々の中に小さな工夫を取り入れることで、心がほっとする暮らしを実現することができます。
- 🔸 間接照明やキャンドルで空間の明るさを整える
- 🔸 お気に入りのマグカップで、友人とのティータイムを楽しむ
- 🔸 夕食の時間に、会話と“余白”を意識してみる
- 🔸 「話すこと」だけを目的に、人と会ってみる
- 🔸 使い込んだ家具やリネンを丁寧に手入れする
- 🔸 予定を詰めすぎず、“何もしない時間”を守る
どれも簡単なことかもしれません。
でも、それが積み重なることで、自分自身にとっての「Gezellig」な暮らしが生まれてくるのです。
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